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2025/04/28 01:03 |
【古文基本単語】古文の特訓(た行~)
 
<た行> 
◆かく世の中のことをも、思し棄てたるやうになりゆくは、いとたいだいしきわざなり・・・(源氏物語)
  
このように世の中のことを思い棄てられたようになっていくのは、とても困ったことだ・・・
 
説教などして世渡るたづきともせよ。(徒然草)
  
説教などをして世渡りの手段とせよ。
 
都へたより求めて文やる、(徒然草)
  
都へつてを求めて手紙を送る。
 
さるは、たよりごとに物も絶えず得させたり。(土佐日記)
  
そうはいっても、ついでがあるごとにお礼も欠かさずあげた。
 
いと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし(枕草子)
  
たいへん寒い朝に、炭火などを急いでおこして、炭を持ち運ぶのも(冬の朝に)とてもふさわしい
 
女、身のありさまを思ふに、いとつきなくまばゆき心地して、めでたき御もてなしも何ともおぼえず、(源氏物語)
  
女は、自分の立場を考えると、とても不相応で恥ずかしい気がして、すばらしい対応にも何も感じず、
 
人のためにはづかしきこと、つつみもなく、ちごも大人も言ひたる。(枕草子)
  
人にとって恥ずかしいことを、遠慮もなく、子どもも大人も言っている。
  
もしつれづれなる時はこれを友として遊行す。(方丈記)
  
もし退屈な時はこれを友として遊びまわる。
 
雪山は、つれなくて年も返りぬ。(枕草子)
  
雪山は、変わらずに年も改まった。
 
いかで、このかぐや姫を得てしがな、見てしがな(竹取物語)
  
何とかして、このかぐや姫を妻にしたいものだ、世話をしたいものだ
 
いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれてときめきたまふありけり。(源氏物語)
  
それほど高貴ではないが、格別に寵愛を受けて栄えておられる方があった。
 
疾く漕げ。日のときに。(土佐日記)
  
船を速く漕げ。天気がよいから。
 
さはなんぞと仰せらるれば、家なれば住み候ふに、おはしますがかたじけなく、所せく候ふなり。(宇治拾遺物語)
  
「それでは何か」とおっしゃると、「(自分の)家なので住んでおりますが、(あなたが)いらっしゃるのが恐れ多く、気詰まりでございます」
 
所なく並みゐつる人も、いづかたへか行きつらん、(徒然草)
  
すき間なくぎっしり並んだ人も、どこへ行ってしまったのだろうか、
 
珍しがりて、とみにて立つべくもあらぬほど、(更級日記)
  
珍しがって、急には立ち去りそうもないとき、
 
<な行> 
◆内裏は山の中なれば、かの木の丸殿もかくやと、なかなか様かはりて、いうなるかたもはべり。(方丈記)
  
内裏は山の中なので、あの丸木の宮もこんなふうかと、かえって趣が変わって、風情がある面もあった。
 
暮れがたき夏の日ぐらしながむれ(伊勢物語)
  
日がなかなか暮れない夏の日に一日中、物思いにふけっている
 
鹿の縁のもとまで来てうち鳴いたる、近うてはなつかしからぬものの声なり。(更級日記)
  
鹿が縁の近くまで来て鳴いている、近くで聞くと親しみがもてない声だ。
 
なでふ、百日の鯉を切らむぞとのたまひたりし、(徒然草)
  
どうして、百日の鯉を切ろうなどとおっしゃったのだろう、
 
心はなどか、賢きより賢きにも移さば移らざらむ。(徒然草)
  
心はどうして、賢いうえにも賢く向上させようと努力してできないことがあろうか、いやそんなことはない。
 
なのめにだにあらず、そこらの人のほめ感じて、(枕草子)
  
平凡でもなく、多くの人がほめ、感じ入って、
 
なべての手して書かせむが悪く侍れば、われに書かせたてまつらむ。(大鏡)
  
平凡な筆跡で書かせるようなことはよくないことでございますから、あなたに書かせ申し上げよう。
 

和歌こそなほをかしきものなれ。(徒然草)
  
和歌というものは何といってもやはり趣のあるものだ。
 
その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。(伊勢物語)
  
その里に、たいそう優美な姉妹が住んでいた。
 
「惟光、とく参らなむ。」と思す。(源氏物語)
  
「惟光、早く参上してほしい。」とお思いになる。
 
いとなめしと思ひけれど、心ざしはいやまさりけり。(伊勢物語)
  
とても無作法だと思ったが、思いはいっそうつのった。
 
安からぬことに世の人なやみ申して、(栄花物語)
  
穏やかではないと世の人はとやかく非難し申し上げて、
 

女、風邪にや、おどろおどろしうはあらねどなやめば、(和泉式部日記)
  
女は、風邪をひいたのだろうか、それほどひどくはないが病気になったので、
  
内わたり朝夕にならひて、いとさうざうしく上の御有様など思ひ出で聞ゆれば(源氏物語)
  
これまで華やかな宮中生活にいつも慣れているので、物足りなくさびしく、天皇の御様子などを思い出し申し上げるので
 
いかで、心として死にもしにしがな(蜻蛉日記)
  
何とかして、心のままに死んでしまいたいものだ
 
容貌などねびたれどきよげにて、(源氏物語)
  
容貌などは老けているが、こぎれいで、
 
年ごろ、よくくらべつる人々なむ、別れがたく思ひて、日しきりに、とかくしつつののしるうちに、夜ふけぬ。(土佐日記)
  
数年間、親しく付き合ってきた人々は、別れをつらく思い、その日は一日中、あれこれ(世話を)しては大騒ぎするうちに、夜がふけてしまった。
 
御心をのみまどはして、去りなむことの悲しく堪へがたく侍るなり。(竹取物語)
  
御心をひどく惑わして、去っていくことが悲しく堪え切れないのでございます。
  
<は行> 
はしたなきもの こと人を呼ぶに、われぞとてさし出でたる。(枕草子)
  
間が悪いもの。他の人を呼んだのに、自分かと思ってでしゃばった(時)。
 
帰らむにもはしたなく、心幼く出で立ちにけるを思ふに、(源氏物語)
  
帰ろうにも中途半端で、無分別にも出てきてしまったことを思ううちに、
 
鏡もなければ、顔のなりたらむやうも知らでありけるに、にはかに見れば、いと恐ろしげなりけるをいとはづかしと思ひけり。(大和物語)
  
鏡もないので、顔が変わっているようすも気づかないで知らないでいたが、不意に(自分の顔を)見ると、とても恐ろしそうだったので、たいそう気が引ける思いがした。
 
今井の行くへを聞かばや(平家物語)
  
今井の行方を聞きたい
 
道理とひがごとをならべむに、いかでか道理につかざるべき。(平家物語)
  
道理と非道を並べたら、どうして道理につかないことがあろうか。
 
ひたぶるに仏を念じたてまつりて、(更級日記)
  
ひたすら仏様をお祈り申し上げて、
 
殿はならせたまはずとも、人わろく思ひ申すべきにあらず。(大鏡)
  
殿はおなりにならなくても、みっともないとお思いになるはずがない。
 
しかれども、ひねもすに波風立たず。(土佐日記)
  
しかし、一日中波風が立たない。 
 

かたち・心ざまよき人も才なくなりぬれば品下り、顔憎さげなる人にも立ちまじりて、かけず気圧さるるこそ本意(ほい)なきわざなれ。(徒然草)
  
容姿や気立てがよい人も学才がないとなると品格が下がり、顔のにくにくしげな人ともいっしょになって、他愛もなく圧倒されるのは残念なことだ。
 
それより下つかたは、ほどにつけつつ、時にあひ、したり顔なるも、(徒然草)
  
それより下級の人は、身分に応じては、時流に乗り、得意顔であるのも、
 
<ま行> 
◆汝、供養せむと思はば、正に財宝をまうくべし。(今昔物語)
  
お前が、供養しようと思うならば、まちがいなく財宝の準備をしなければならない。
 
あれは大将軍とこそ見まいらせ候へ。まさなうも敵にうしろを見せさせたまふものかな。(平家物語)
  
そちらは大将軍とお見受けいたす。卑怯にも敵に後ろをお見せになるのか。
 
屋の上にをる人どもの聞くに、いとまさなし(竹取物語)
  
屋根の上にいる人たちが聞くと、とても不都合だ
 
しやせまし、せずやあらましと思ふことは、大様はせぬは良きなり。(徒然草)
  
してみようかしら、しないでおこうかしらと思うことは、大体はしないほうがよい。
 
鏡に色形あらましかば映らざらまし(徒然草)
  
鏡に固有の色や形があったとしたら、何も映らないであろうに
  
世の人の飢ゑず、寒からぬやうに、世をば行はまほしきなり。(徒然草)
  
世の中の人が飢えることなく、寒くないように世の政治をしていきたいものだ。
 
この男まもれば、我が妻に似たり。(大和物語)
  
この男がじっと見ると、自分の妻に似ている。
 

にくきもの、急ぐ事あるをりに、長言するまらうど(枕草子)
  
憎らしいもの、急ぐことがある時に、長話をする
 
物の怪のさまと見えたり。あさましくむくつけしと。(源氏物語)
  
物の怪のように見えた。とんでもないことことで気味が悪いと。
  
九夏三伏のあつき日は、泉をむすびて心をなぐさめ(平家物語)
  
九夏三伏といわれる暑い日は、泉の水を手ですくって心を慰め
 
むべこそ親の世になくは思ふらめと、をかしく見たまふ。(源氏物語)
  
なるほど親がこの上なく思っているだろうと、興味深くご覧になる。
 
はじめより我はと思ひあがりたまへる御方々、めざましきものにおとしめそねみたまふ。(源氏物語)
  
はじめから我こそはと思い上がった方々は、気にくわないとして見下しねたみなさる。
 
梢も庭もめづらしく青み渡りたる卯月ばかりの曙、(徒然草)
  
梢も庭もすばらしく青々としている四月ごろの明け方、
 
桜のめでたく咲きたりけるに、(宇治拾遺物語)
  
桜がみごとに咲いていたのに、
 
音に聞き、めでて惑ふ。(竹取物語)
  
うわさに聞いて、心ひかれてまた心を乱す。
 

命長ければ辱多し。長くとも、四十に足らぬほどにて死なむこそ、めやすかるべけれ。(徒然草)
 
 長生きをすれば恥も多い。長くても四十足らずで死ぬのが、見苦しくないにちがいない。
 
あはれにいひ語らひて泣くめれど、涙落つとも見えず。(大鏡)
  
しみじみと語り合って泣いているように見えるけれど、涙が落ちるとも見えない。
 
いかで、京へもがな(土佐日記)
  
何とかして、早く京へ帰りたいものだ
 
世の人あひあふ時、しばらくももだすることなし。(徒然草)
  
世間の人は互いに会うと、少しの間もだまっていることがない。
  
大宮ものうき御いでたちなれば、とみにもたてまつらず。(平家物語)
  
大宮は気が進まないご出発なものだから、すぐにも車にお乗りにならない。
 
こはなぞ、あなもの狂ほしの物怖ぢや。(源氏物語)
  
これはどうしたことか、なんと異常な恐がり方ではないか。
 
いとすさまじう、ものしと聞こしめす。(源氏物語)
  
とても興ざめで、不快だとお聞きになる。
 
一昨年の春ぞものしたまへりし。(源氏物語)
  
一昨年の春にお生まれになった。
 
この人につきて、いと忍びてものし給へ。(平中物語)
  
この人について、そっと一目につかぬように来てください。
 
 
<や~行> 
◆御車をやをら引き入れさせて、(源氏物語)
  
お車をそっと引き入れさせて、
 

やがてかけこもらましかば、口惜しからまし。(徒然草)
  
すぐに中に入ってかけがねをかけたなら、どんなにか残念だったろう。
 
世の中をうしとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば(万葉集)
  
この世をつらく耐え難いと思うけれど、どこかへ飛び去るわけにもいかない、鳥ではないので。
 
名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、ただありのままに、やすく付けけるなり。(徒然草)
  
名前をつけることを、昔の人は、少しもこだわりなく、ただありのままに、気軽につけたものだ。
 
よろづに、その道を知れる者は、やむごとなきものなり。(徒然草)
  
何ごとにつけても、その道に通じている人は、貴重な(尊い)ものだ。
 
胸のやるかたなきを、(源氏物語)
  
気を晴らす方法もないので、
 

谷の底に鳥の居るやうに、やをら落ちにければ、(宇治拾遺物語)
  
谷底に鳥が降り立つように、ゆっくり落ちたので、
 
山路来て何やらゆかし菫草(すみれぐさ)
  
山道を来て、ふと何となく心ひかれる菫草であることよ。
 
かく言ひて眺めつつ来る間に、ゆくりなく風吹きて、(土佐日記)
  
こう言って物思いにふけりながら来るうちに、不意に風が吹いて、
 
人はよし思ひ止むともたまかづら影に見えつつ忘らえぬかも(万葉集)
  
ほかの人はたとえ思わなくなっても私は(帝が)面影に見えて忘れることができないなあ。
 
おろかなる人は、ようなき歩きは、よしなかりけりとて、来ずなりにけり。(竹取物語)
  
たいした情熱のない人は、むだな歩きは、無意味だといって、来なくなってしまった。
 
花・鳥の色にも音にもよそふべき方ぞなき。(源氏物語)
  
花の色や鳥の声にもたとえようがない。
 
よろしくよみたりとおもふ歌を人のもとにやりたるに、返しせぬ。(枕草子)
  
まあよく詠んだと思う和歌を人の所へ送ってやったところ、返歌をしない。
 

らうたしとおもひながらとどめず。(大和物語)
  
いとしいと思いながら留めることができない。
 
物に書きつけておはするさま、らうらうじきものから、若うをかしきを、めでたしと思す。(源氏物語)
  
何かに書きつけておられるご様子が、気高く美しく、若くて風情があるのを、すばらしいとお思いになる。
 
わくらばに問ふ人あらば須磨の浦に藻塩たれつつわぶと答へよ(古今和歌集)
  
ひょっとして私をたずねてくれる人がいたら、須磨の浦で嘆きに沈んでは寂しく暮らしていると答えてください。
 
若く末々なるは、宮仕へに立ち居、人の後にさぶらふは、様あしくも及びかからず、わりなく見むとする人もなし。(徒然草)
  
若くて身分の低い人は、ご主人の用事のために立ったり座ったりで、人の後ろにつき従っている者には、見苦しく後ろからのしかかったりもせず、(祭りを)無理に見ようとする人もいない。
 
かたはらにて聞く人は、謀るなりとをこに思ひて笑ひけるを、(宇治拾遺物語)
  
そばで聞いている人は、ごまかすのだなと愚かに思って笑ったのに、
 
宮仕へもをさをさしくだにしなしたまへらば、などかあしからむと、(源氏物語)
  
宮仕えもしっかりなさるようにさえすれば、どうして悪いことがあろうかと、
 
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2009/04/12 16:08 | 中学古文
【古文基本単語】古文の特訓(あ行~さ行)
 
≪あ行≫
愛敬ありてことば多からぬこそあかずむかはまほしけれ。(徒然草)
  
かわいげがあって口数が少ない人は嫌になることがなくいつまでも向かい合っていたい。
 
あからさまに来て、泊り居などせむは、珍らしかりぬべし。(徒然草)
  
突然やってきて、泊まったりしたら、新鮮な感じがするにちがいない。
 
をかしげなる児の、あからさまに抱きて遊ばしうつくしむほどに、かいつきて寝たる、いとらうたし。(枕草子)
  
愛らしい幼児が、ちょっと抱いてかわいがっているうちに、抱きついて寝入ってしまったのは、とてもいじらしい。
 

都を出でて、嵯峨(さが)の方へぞあくがれゆく。(平家物語)
  
都を出て、嵯峨の方へさまよい行く。
 
かみなかしも、ゑひあきて、いとあやしく、しほうみのほとりにて、あざれあへり。(土佐日記)
  
身分の上中下にかかわらずみな深酔いして、不思議にも、潮海だからあざる(魚が腐る)はずもないのに海辺でふざけ合っている。
 
危うき京中の家を造るとて、宝を費やし、心を悩ますことは、すぐれてあぢきなくぞ侍る。(方丈記)
  
危険な都の中の家を造ろうとして、財宝を費やし、心を砕くことは、とくに無益なことでございます。
 

四十余ばかりにて、いと白うあてに、痩せたれど、つらつきふくらかに、(源氏物語)
  
四十歳過ぎくらいで、とても色が白く上品で、やせてはいるが、顔立ちはふっくらして、
 
人のあながちに欲心あるはつたなきことなり。(今昔物語)
  
人がむやみに欲心があるのはおろかなことだ。
 
あづま路の道の果てよりも、なほ奥つかたに生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、(更級日記)
 
 東海道の果ての国より、もっと奥の所で生まれ育った人(私)は、どんなにかみすぼらしかっただろうに。
 

打橋・渡殿のここかしこの道に、あやしきわざをしつつ、(源氏物語)
  
打橋・渡殿のあちこちの通り道に、よくないことをたびたび仕掛けては、
 

春の夜の闇はあやなし梅の花 色こそ見えね香やは隠るる(古今和歌集)
  
春の夜の暗やみは道理の分からないものだ。梅の花の色も見えないけれども、香りははっきり分かり隠れるものか。
 
この御幸は御あらましばかりにて、まことにはなかりけり。(古今著聞集)
  
この御幸はご予定だけで、実際にはなかった。
 
人は、かたち、有様のすぐれたらんこそあらまほしかるべけれ。(徒然草)
  
人は、容貌や風采がすぐれていることが理想的であるにちがいない。
 
あるじのはらからなる、あるじしたまふと聞きて来たりければ、(伊勢物語)
  
主人の兄弟である人が、もてなしをなさると聞いてやってきたので、
 
「君の仰せごとをば、いかがはそむくべき。」(竹取物語)
  
「君のおことばを、どうしてそむくことができましょうか、できはしません。」
 
いかで誘ひ出して遊ばむと、(徒然草)
  
何とかして誘い出して遊ぼうと、
 
いかでかばかりは知りけむ。(徒然草)
  
どうしてこんなに知っていたのだろうか。
  
えさらぬ事のみいとど重なりて、事の尽くる限りもなく(徒然草)
  
避けられない事だけがますます重なって、物事が終わる際限もなく
  
いといはけなき御ありさまなれば、乳母たち近くさぶらひけり。(源氏物語)
  
とても幼いご様子なので、乳母たちが近くにお仕えしていた。
 
あが君、生き出で給へ。いみじき目な見せ給ひそ。(源氏物語)
  
ご主人様、生き返ってください。とても悲しい目をお見せにならないでください。
 
人と成してうしろやすからむ女などに預けてこそ死にも心安からむとは思ひしか。(蜻蛉日記)
  
(息子を)成人させて安心できるような女などと結婚させて、はじめて安心して死ねるだろうと思った。
 
花も散りにたるのちはうたてぞ見ゆる。(枕草子)
  
花も散ってしまったあとは見苦しく見える。
 
ものや言ひ寄らましと思せど、うちつけにや思さむと、心恥づかしくて、やすらひたまふ。(源氏物語)
  
言葉をかけて近づきたいとお思いなのに、唐突に思われるのではと、気が引けて、ためらっておられる。
 
うつくしきもの 瓜にかきたるちごの顔。(枕草子)
  
かわいらしいもの。瓜にかいた幼児の顔。
 
手のわろき人の、はばからず文書きちらすは、よし。みぐるしとて、人に書かするは、うるさし(徒然草)
  
字のへたな人が、遠慮せずに手紙を書き散らすのはよい。(筆跡が)見苦しいからといって、他人に代筆させるのは、いやみだ
 
この玉たはやすくはとらを。(竹取物語)
  
この玉は、たやすくは取ることができないだろうよ。
  
人をおきてて、高き木に上(のぼ)せて、梢を切らせしに (徒然草)
  
人を指図して、高い木に登らせ梢を切らせたときに
 
木の葉に埋もるる懸樋(かけひ)のしづくならでは、つゆおとなふものなし。(徒然草)
  
落ち葉に埋もれる懸樋のしずく以外に、まったく(声をかけて)訪れるものはない。
 
遣り水のほとりの草むらおのがじし色づきわたりつつ (紫式部日記)
  
遣り水のほとりの草むらがそれぞれに一面に色づき
 
されども、おのづから正直の人、などかなからん。(徒然草)
  
けれども、たまには正直な人が、どうしていないことがあろうか。
 
なほいと、わが心ながらおほけなく、いかで立ち出でにしかと(枕草子)
  
やはりほんとうに、我ながら身の程をわきまえず、なぜ宮仕えに出てしまったのだろうかと
 

若宮のいとおぼつかなく、露けき中に過ぐし給ふも、(源氏物語)
  
若宮がとても気がかりで、涙がちな状況の中でお過ごしなさっているのも、
 

夕月夜のおぼつかなきほどに、忍びて尋ね、(徒然草)
  
夕方の月がぼんやりとしているころに、こっそりと訪ね、
 

昔、おほやけおぼしてつかうたまふ女の、色ゆるされたるありけり。(伊勢物語)
  
昔、天皇が心をおかけになって召し使った女で、禁制の色の使用を許された者がいた。
 
この殿の御おもておこしたまふは、皇后宮におはしましき。(大鏡)
  
この方の面目を施されたのは、皇后の宮であられた。
   
この御子のおよずけもておはする御かたち、(源氏物語)
  
この御子がだんだん成長しておいでになる御姿、
  
先の翁よりは、天骨もなく、おろおろかなでたりければ (宇治拾遺物語)
  
さきの老人よりは、才能もなく、(舞を)いい加減に舞ったので
 
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。(徒然草)
  
たった二つの矢を、師匠の前で一本をいい加減にしようと思うだろうか、いや一本でも大切に思うだろう。
 
 
 ≪か行≫
かごとも聞こえつべくなむ。(源氏物語)
  
恨み言も申してしまいそうです。
 
いま一度起こせかし(宇治拾遺物語)
  
もう一度起こしてくれ
 
仏にかしこまり聞ゆるこそ、くるしけれ。(源氏物語)
  
仏におわび申し上げるのこそ、心の中が苦しい。
 
かたへの人、笑ふことにやありけむ、この歌にめでてやみにけり。(伊勢物語)
  
傍らの人は、おかしく思ったのだろうか、この歌をおもしろがって詠むのをやめてしまった。
 
同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはし、(枕草子)
 
 同じ所に住んでいる人が、互いに気兼ねしあって、
 

牛飼は、おほきにて、髪あららかなるが、顔あかみて、かどかどしげなる(枕草子)
  
牛飼いは、体格も立派で、髪もあらあらしく、赤ら顔で、とても気転がきく
 
人はただ、歌をかまへてよむべし。(宇治拾遺物語)
  
人はひたすら、和歌を心がけて詠むべきだ。
 
このかぐや姫、きと影になりぬ。(竹取物語)
  
このかぐや姫は、急に影になった。
 
きよげなる大人二人ばかり、さては童べぞ出で入り遊ぶ。(源氏物語)
  
こざっぱりした女房が二人ほどと、それから女の童が出たり入ったりして遊んでいる。
 

面影におぼえて悲しければ、月の興もおぼえず、くんじ臥(ふ)しぬ。(更級日記)
  
面影が思い出されて悲しいので、月の趣にも感じず、気がふさいで臥せった。
 
この児のかたちけうらなること世になく、屋のうちは暗き所なく光満ちたり。(竹取物語)
  
この子の容貌が美しいことは世に例がなく、家の中には暗いところがなく光が満ちている。
 
黄なる紙張りたる扇さし隠してけしきだち笑ふ。(大鏡)
  
黄色の紙を張った扇をかざして顔を隠しながら得意げに笑う。
 
ありしよりけに言ひ交はして (伊勢物語)
 
 
以前からいっそう愛を誓い合って
  
吾妻人は、我がかたなれど、げには心の色なく、情おくれ、ひとへにすぐよかなるものなれば、(徒然草)
  
関東人は、私と同郷だが、ほんとうのところは心のやさしさがなく、人情味に乏しく、ただ一本気なものだから、
 
なべて心柔かに、情ある故に、人のいふほどの事、けやけく否びがたくて、(徒然草)
  
総じて心が優しく、人情があるので、人から頼まれることをきっぱり断りにくくて、
 
かの桟敷の前をここら行き交ふ人の (徒然草)
  
あの桟敷の前をたくさん行き交う人の
 
人の上にて見たるだに、心憂し(徒然草)
  
他人ごととして見ているのでさえ、不快だ
 
心づきなきものものへ行き、寺へもまうづる日の雨。(枕草子)
   
気に入らないもの、どこかへ行き、また寺にお参りをする日の雨。
 
こころばせのなだらかに目やすく、(源氏物語)
 
 気立てが穏やかで感じがよく、
 
八重桜は異様のものなり。いとこちたく、ねぢけたり。(徒然草)
  
八重桜は異様なものだ。とても大げさでひねくれている。
 
ことなしびたまふを、強ひて言ふもいとこちなし(源氏物語)
  
知らない顔をなさるのに、強いて言うのもとても無粋だ
 
ゆゆしくことごとしく斧を負ひ、法螺貝(ほらがい)腰につけ、錫杖(しゃくぢゃう)つきなどしたる山伏・・・(宇治拾遺物語)
  
非常にものものしく斧を背負い、法螺貝を腰につけ、錫杖をついたりしている山伏・・・
 
まづ、これはいかに。とくことわれ(枕草子)
  
まず、これはどうであるのか。早く判断しろ
 
頼む方なき人は、自らが家をこぼちて、市に出でて売る。(方丈記)
  
頼るところのない人は、自分で自分の家をこわして、市に出てそれを売る。
 
≪さ行≫
さいつころ、雲林院の菩提講に詣でて侍りしかば、(大鏡)
  
さきごろ、雲林院の菩提講にお詣(まい)りしておりましたところ、
 

いみじう雨降りてつれづれなるに、御物忌にこもりて、さすがにさうざうしくこそあれ。(枕草子)
  
ひどく雨が降ってすることがなく退屈なときに、天皇の御物忌みのためにこもって、「やはり物足りないことだ」
 
しやつが首、さうなう斬るな。(平家物語)
  
そいつの首は、簡単には斬るな。
 
中に心さかしき者、念じて射むとすれども、ほかざまへ行きければ、(竹取物語)
  
その中で心のしっかりしている者は、(恐怖を)我慢して(矢を)射ようとするけれども、別の方角へ飛んでいったので、
 
さがしき山越えはててぞ、おのおの馬には乗る。(源氏物語)
  
険しい山越えを終えて、それぞれ馬に乗る。
 
さるさがなきえびす心を見ては、いかがはせんは。(伊勢物語)
  
そのような粗野で田舎じみた心を見て、どうしたものか。
 
させる能もおはせねば、物をも惜しみたまへ。(宇治拾遺物語)
  
たいした才能もお持ちでないので、物を惜しみなさる。
 

さだめて習ひあることにはべらむ。(徒然草)
  
きっといわれがあることでございましょう。
 
ねやの中見れば、昔の枕のさながら変らぬを見るも、今更悲しくて、(十六夜日記)
  
寝室の中を見ると、昔の枕がそのまま変わらずあるのを見るのも、また悲しくて、
 
一の人の御有様はさらなり。ただ人も、舎人(とねり)など賜はるきはは、ゆゆしと見ゆ。(徒然草)
  
摂政・関白のご様子は言うまでもない。ふつうの貴族でも、舎人などをいただく身分は、立派に見える。
 
さりがたき(め)をとこ持ちたる者は、その思ひまさりて深き者、必ず先立ちて死ぬ。(方丈記)
  
離れ難い妻や夫を持った者は、その愛情が(相手より)深い者が必ず先に死ぬ。
 
まみのあたりうちしぐれ(源氏物語)
  
目のあたりが涙にぬれ
 
しのぶれど色に出にけりわが恋はものや思ふと人のとふまで
  
人に分からないように隠しているけれど、私の恋が顔に現れてしまったようだ。何か物思いでもしているのかと人が尋ねるほどに。
 
もの思へるけはひして、ある人々も忍びてうち泣くさまなどなむ、しるく見えはべると、(源氏物語)
  
物思う風情で、共にいる人々も忍び泣きをするようすなどが、はっきり見えましたと、
 
「君はいまだしろしめされさぶらはずや。」(平家物語)
  
「君はまだお知りになってございませんか。」
  
今天皇の天の下しろしめすこと、四つの時九返りになむなりぬる。(古今和歌集仮名序)
  
今上天皇が天下をお治めになることは、四季の巡りが九回になった。
 

すきずきしくあはれなる事どもなり。(宇治拾遺物語)
  
風流でしみじみとする出来事だ。
 
頭の中将の、すずろなるそら言を聞きて、いみじう言ふおとし、(枕草子)
  
頭の中将が、根も葉もないうそを聞いて、ひどく(私を)けなして、
 
沖の白洲にすだく浜千鳥の外は、跡とふ者もなかりけり。(平家物語)
 
沖の白洲に群がる浜千鳥のほかには、行方を尋ねる者もなかった。
 
いとこは、ずちなき世かな。(枕草子)
  
まったくこれは、どうしようもない世の中だ。
 
立て籠めたるところの戸、すなはちただ開きに開きぬ。(竹取物語)
  
閉め切っていた戸が、すぐにただもうすっかり開いてしまった。
 

すべからく、まづその心づかひを修業すべし(徒然草)
  
当然、第一にその心構えを修業すべきだ
 
せちに隠れたまへど、おのづから漏り見たてまつる。(源氏物語)
  
ひたすらお隠れになるが、どうしても姿が現れるのを拝見するのだった。
 
「書きそこなひつ」と恥ぢて隠したまふを、せめて見たまへば、(源氏物語)
  
「書き損なった」と恥ずかしがって隠されるのを、無理にご覧になると、
 
唐土には限りなきものにて、文にも作る、なほさりともやうあらんとせめて見れば、(枕草子)
  
中国ではこの上なくすばらしいものとして、漢詩にも詠むのは、やはりそうはいっても理由があるのだろうとよくよく見ると、
 

静かに思へば、よろづに、過ぎにしかたの恋しさのみぞせんかたなき(徒然草)
  
静かに考えてみると、何かにつけて、過ぎ去った過去の恋しさばかりはどうしようもない
 
人にまされりと思へる人は、たとひ言葉に出でてこそ言はねども、内心にそこばくのとがあり。(徒然草)
  
人よりまさっていると思っている人は、たとえ言葉に出して言わなくても、心の中に多くの欠点がある。
 

2009/04/12 02:49 | 中学古文
試験に出る古文単語
古文基本単語】試験に出る古文単語

【動 詞】 
 
■ いつく (四) ①身心を清めて神に奉仕する。神をまつる。 ②大切にする。大事に育てる。
■ いらふ (下二) ①適当に答える。
■ 失(う)す (下二) ①なくなる。 ②いなくなる。 ③亡くなる。死ぬ。
■ 掟(おき)つ (下二) ①きめる。 ②命令する。 ③取り計らう。
■ 後(おく)る (下二) ①死におくれる。先立たれる。 ②劣る。
■ おこたる (四) ①油断する。 ②過失を犯す。 ③病気が快方にむかう。病気がよくなる。
■ 行ふ (四) ①仏道を修行する。勤行する。
■ おどろく (四) ①はっとして気づく。 ②目がさめる。目をさます。
■ 覚ゆ (下二) ①思われる。感じられる。 ②思い出される。 ③似る。
■ かこつ (四) ①他のせいにする。かこつける。 ②恨みごとを言う。
■ かしこまる (四) ①恐縮する。 ②わびる。 ③お礼をのべる。
■ かしづく (四) ①大切に育てる。 ②大切に世話をする。
■ 被(かづ)く (四)  ①頭からかぶる。 ②ほうびとしていただく。
(下二)  ①(他人の)頭にかぶせる。 ②ほうびとして与える。
 
■ 具(ぐ)す (サ変)  ①備える。 ②連れて行く。いっしょに行く。 ③添える。
■ 屈(くん)ず (サ変) ①ふさぎこむ。気がめいる。
■ 困(こう)ず (サ変) ①(肉体的に)疲れる。弱る。 ②(精神的に)弱る。
■ ことわる (四) ①判断する。 ②筋道を立てて説明する。
■ 治(し)る (四) ①治める。領有する。
■ 頼む (四) ①頼みにする。 ②仕える。
(下二) ①(約束などをして)頼みにさせる。
■ 慎(つつ)む (四) ①気がひける。 ②遠慮する。 ③用心する。
■ 時めく (四) ①よい時機に会って栄える。 ②寵愛される。
■ 眺(なが)む (下二) ①物思いに沈みながらぼんやりと見る。 ②物思いにふける。
■ なまめく (四) ①美しくて若々しく見える。 ②上品で優美なふるまいをする。
■ なやむ (四) ①病気にかかる。 ②非難する。
■ にほふ (四) ①色が美しく照り輝く。 ②赤く色づく。 ③影響が及ぶ。
■ 念ず (サ変) ①心の中で神仏に祈る。 ②じっと我慢する。
■ ののしる (四) ①大声で騒ぐ。 ②評判が高い。 ③勢いがさかんだ。
■ まうく (下二) ①準備する。 ②設備する。 ③(ものを)手に入れる。
■ まもる (四) ①目をはなさないでじっと見つめる。 ②様子をうかがう。
■ 見捨(みす)つ (下二) ①見捨てる。 ②(誰かを)後にして死ぬ。先立つ。
■ 見ゆ (下二) ①見える。感じられる。 ②見せる。見られる。 ③結婚する。 ④やって来る。 
 
【形容詞】 
   
■ あいなし ①おもしろくない。かわいげがない。 ②(連用修飾語の「あいなく」の形で)むやみに。
■ あさまし ①意外だ。驚いたことだ。 ②あまりのことで情けない。
■ あたらし ①惜しい。もったいない。 ②すばらしい。立派だ。
■ あぢきなし ①つまらない。無用だ。 ②にがにがしい。 ③耐え難い。
■ 賤(あや)し ①身分が低い。卑しい。
■ あやなし ①道理に合わない。わけがわからない。 ②むなしくて意味がない。
■ あらまほし ①理想的だ。申し分ない。好ましい。
■ ありがたし ①めったにない。珍しい。(めったいにないほど)すぐれている。
■ いとほし ①気の毒だ。 ②かわいらしい。
■ いはけなし ①幼い。あどけない。
■ いぶせし ①気が晴れない。うっとうしい。 ②不快だ。汚い。 ③気がかりだ。
■ いまいまし ①不吉だ。縁起が悪い。 ②悪い結果をおそれて慎まなければならないさまだ。
■ 今めかし ①現代的だ。当世風だ。目新しくてしゃれている。
■ いみじ ①(よい面にも悪い面にも)程度が甚だしい。ふつうではない。
■ うしろめたし ①気がかりだ。不安だ。 ②うしろぐらい。気がとがめる。
■ うしろやすし ①将来のことが心配だ。
■ うたてし ①嫌だ。とても嘆かわしい。いやらしい。 ②情けない。
■ うつくし ①(肉親に対して)いとしい。 ②(小さい形に対し)かわいらしい。
■ うるはし ①きちんと整っている。端正だ。端麗だ。 ②折り目正しい。本格的だ。 ③親しい。
■ 要(えう)なし ①必要がない。役に立たない。
■ おとなし ①おとなびている。 ②年配で、かしらだっている。
■ おほけなし ①身の程知らずだ。 ②恐れ多い。もったいない。
■ おぼつかなし ①はっきりしない。 ②疑わしい。 ③気がかりだ。 ④待ち遠しい。
■ おもしろし ①風情がある。 ②美しい。 ③心楽しい。面白い。
■ 賢(かしこ)し ①才知に富む。利口だ。 ②すばらしい。 ③並々でなく。たいそう。
■ 畏(かしこ)し ①恐れ多い。もったいない。 ②恐ろしい。こわい。
■ 難(かた)し ①むずかしい。
■ かたはらいたし ①にがにがしい。 ②気の毒だ。 ③(第三者が自分をどう見るか)恥ずかしい。
■ 愛(かな)し ①身にしみてしみじみと愛しい。
■ 辛(から)し ①ひどい。つらい。 ②あぶない。
■ 口惜(くちを)し ①残念だ。くやしい。 ②情けない。つまらない。
■ 異(い)し ①道に外れている。ふつうでない。 ②怪しい。変だ。
■ 心憂(こころう)し ①つらい。情けない。悲しい。 ②いやだ。不愉快だ。
■ 心苦し ①つらい。気になる。 ②相手に気の毒だ。
■ 心づきなし ①気に食わない。
■ 心なし ①何の考えもない。 ②思いやりがない。 ③趣きがわからない。
■ 心にくし ①奥ゆかしい。 ②尊敬する値打ちがある。
■ 心もとなし ①気がかりで待ち遠しい。 ②あるかないかの様子だ。 ③不安だ。 ④不満だ。
■ こちたし ①わずらわしい。うるさい。 ②大げさだ。仰々しい。 ③多い。
■ こちなし ①無作法だ。ぶしつけだ。 ②無骨だ。
■ さうざうし ①物足りない。心さびしい。 ②満たされない。
■ 左右(さう)なし ①言うまでもない。 ②あれかこれか決まらない。 ③無造作だ。
■ 賢(さか)し ①しっかりしている。気が強い。 ②すぐれて賢い。 ③こざかしい。利口ぶっている。
■ さがなし ①意地が悪い。性質がよくない。 ②いたずらだ。
■ しるし ①はっきりしている。明白だ。 ②予想どおりだ。思ったとおりだ。
■ すきずきし ①風流だ。もの好きだ。 ②好色めいている。色好みだ。
■ すごし ①荒涼としてもの寂しい。寒々としている。
■ すさまじ ①調和がとれない。興ざめだ。 ②殺風景だ。
■ たいだいし ①面倒だ。不都合だ。 ②もってのほかだ。とんでもない。
■ つきづきし ①似つかわしい。ふさわしい。
■ つらし ①薄情だ。仕打ちがひどい。
■ つれなし ①変化をしない。 ②平気な顔だ。 ③すげない。
■ 所狭(ところせ)し ①場所が狭い。 ②気詰まりだ。 ③大きな顔をしている。 ④大げさだ。
■ 疾(と)し ①早い。速い。
■ なつかし ①親しみやすい。心ひかれる。 ②慕わしい。
■ なまめかし ①若々しい。 ②優美だ。 ③つやっぽい。
■ なめし ①無礼だ。
■ なやまし ①(病気や疲れで)具合が悪い。
■ はかなし ①これということもない。取るに足らない。 ②長く生きない。 ③たよりない。
■ はしたなし ①間が悪い。具合が悪い。 ②どちらつかずだ。 ③(「はしたなく」の連用形で)はげしい。
■ はづかし ①こちらが気がひけるくらい相手がすぐれている。立派だ。 ②気がひける。
■ ひがひがし ①ひねくれている。 ②正確でない。
■ 便(びん)なし ①都合が悪い。 ②けしからぬ。不都合だ。
■ まさなし ①(道徳的に)よくない。 ②みっともない。
■ まめまめし ①実用的だ。 ②いかにも実直だ。
■ むつかし ①わずらわしい。 ②気味が悪い。 ③気が晴れない。
■ めざまし ①気に食わない。心外だ。あきれたさまだ。 ②驚くほどすばらしい。
■ めづらし ①すばらしい。 ②目新しい。 ③珍しい。
■ めでたし ①すばらしい。美しい。立派だ。 ②喜ばしい。
■ めやすし ①感じがよい。見苦しくない。見た目がよい。
■ ものうし ①なんとなく気が晴れない。 ②もの悲しくてつらい。
■ ものぐるほし ①気がおかしくなってくる。異常な感じがする。
■ やさし ①実が細るようだ。つらい。 ②恥ずかしい。 ③優美だ。趣きがある。
■ やむごとなし ①捨てておけない。大切だ。 ②並みひととおりではない。 ③高貴だ。尊い。
■ ゆかし ①見たい、聞きたい。知りたい。 ②心が強くひかれる。
■ ゆくりなし ①思いがけない。突然だ。 ②不用意だ。軽はずみだ。
■ ゆゆし ①不吉だ。 ②一通りでない。
■ よしなし ①仕方がない。 ②関係がない。 ③思慮・分別がない。 ④くだらない。無意味だ。
■ らうたし ①(見た目に)かわいらしい。 ②(精神的に)いとしい。
■ わびし ①がっかりする。 ②やりきれない。 ③心細い。 ④つまらない。
■ わりなし ①一通りではない。格別だ。 ②道理に合わない。 ③説明できないほどつらい。
■ をかし ①趣がある。面白い。 ②美しい。 ③かわいい。 ④こっけいだ。
  
 【形容動詞】 
   
■ あからさまなり ①ついちょっと。かりに。
■ あだなり ①はかない。 ②無駄だ。 ③浮気だ。誠実でない。
■ あてなり ①身分が高い。高貴だ。 ②上品だ。優雅だ。
■ あながちなり ①強引だ。一方的だ。 ②いちずだ。ひたむきだ。
■ あはれなり ①しみじみと心うたれる。感慨深い。趣が深い。いとしい。気の毒だ。
■ あらはなり ①丸見えだ。 ②はっきりしている。明白だ。
■ 優(いう)なり ①優美だ。風流だ。 ②上手だ。すぐれている。 ③心がやさしい。
■ いたづらなり ①無駄だ。役に立たない。 ②むなしい。 ③何もすることがない。
■ 艶(えん)なり ①しっとりとした趣がある。 ②はなやかに美しい。 ③思わせぶりなようすだ。
■ おぼろけなり ①並みだ。ありきたりだ。 ②格別だ。並々でない。
■ おろかなり ①おろそかだ。いいかげんだ。
■ かたほなり ①不完全だ。不十分だ。未熟だ。
■ きよげなり ①(人の姿などが)美しい。 ②(服装などが)見た目にいかにもきれいだ。
■ きよらなり ①上品で美しい。華麗だ。豪華だ。
■ さらなり ①言うまでもない。もちろんである。
■ すずろなり ①わけもない。何となく・・・だ。 ②みやみやたらだ。 ③思いがけない。
■ せちなり ①痛切だ。切実だ。並々でない。 ②無理やりだ。いちずだ。
■ つれづれなり ①することがなくて退屈だ。手持ち無沙汰だ。所在ない。
■ とみなり ①突然だ。急だ。
■ なのめなり ①いいかげんだ。 ②まあまあ無難だ。 ③平凡だ。 ④並々でない。
■ なほざりなり ①いいかげんだ。おろそかだ。 ②ちょうどよい。あっさりしている。
■ なめげなり ①無礼だ。失礼だ。
■ ねむごろなり ①熱心だ。丁寧だ。 ②親しみあっている。むつまじい。
■ はつかなり ①かすかだ。ほのかだ。ほんの少しだ。
■ 不便(ふびん)なり ①不都合だ。具合が悪い。 ②かわいそうだ。気の毒だ。
■ まめなり ①まじめだ。誠実だ。 ②勤勉だ。 ③丈夫だ。 ④実用的だ。
■ まめやかなり ①まじめだ。誠実だ。 ②本式だ。本格的だ。
■ みそかなり ①こっそりする。ひそかにする。
■ むげなり ①まったくひどい。最低だ。 ②身分が低い。無教養だ。
■ をこなり ①愚かだ。ばかげている。
  
  【副 詞】 
   
■ あまた ①たくさん。数多く。 ②非常に。ずいぶん。
■ いつしか ①いつのまにか。早くも。 ②いつか。早く。
■ うたて ①ますます。ひどく。 ②不思議に。不気味に。 ③いとわしく。見苦しく。情けなく。
■ おのづから ①自然に。ひとりでに。 ②自力で。自分自身で。 ③たまたま。偶然。ふと。
■ かたみに ①互いに。めいめい。
■ げに ①いかにも。なるほど。 ②まことに。実に。
■ ここら/そこら ①たくさん。おおぜい。
■ さすがに ①そうではあるが、しかし。そうはいうもののやはり。
■ さながら ①そのまま。もとのまま。 ②すべて。そっくり。
■ なかなか ①なまじっか。 ②かえって。むしろ。 ③(下に打消しの語を伴って)容易に。とても。
■ なべて ①一般に。総じて。おしなべて。 ②なみひととおり。ふつう。 ③一面に。一帯に。
■ ひねもす ①一日中。終日。
■ やうやう ①だんだん。しだいに。 ②かろうじて。やっと。
■ やがて ①とりもなおさず。そのまま。 ②すぐに。ただちに。 ③同時に。連続して。 ④まもなく。そのうち。
■ やをら ①静かに。おもむろに。そろそろと。
  
 【名 詞】 
 
■ あそび ①管弦(音楽)の遊び。詩歌を作ったりすること。
■ あらまし ①予定。計画。 ②概略。一部始終。
■ 内(うち) ①宮中。 ②天皇。 ③心中。内心。
■ うつつ ①現実。生きている状態。 ②眠っていない状態。目が覚めているさま。 ③気の確かな状態。正気。本心。
■ おこなひ ①仏道の修行。仏前の勤行。
■ 影 ①光。 ②姿。形。 ③面影。
■ かたち ①容貌。顔だち。 ②姿。外形。
■ 際(きは) ①身分。家柄。 ②程度。 ③端(はし)。 ④あたり。
■ 気色(けしき) ①人の様子。 ②事情。 ③意向。考え。
■ 心づくし ①物思いをして、いろいろと気をもむこと。
■ 理(ことはり) ①ものの道理。 ②理由。
■ 才(ざえ) ①学問(とくに漢学)。教養。 ②学問的な才能。
■ 験(しるし) ①神仏の霊験。御利益。 ②目じるし。
■ 宿世(すくせ) ①前世。過去からの因縁。宿命。
■ つとめて ①早朝。 ②(前夜に何かがあって)その翌朝。
■ 年ごろ ①数年の間。 ②長年の間。
■ なやみ ①病気。 ②非難。
■ ひがこと ①事実とちがったこと。間違い。 ②道理にはずれた行為。
■ 日ごろ ①数日。
■ 文(ふみ) ①手紙。 ②書物。 ③漢詩文。 ④学問。
■ ふるさと ①旧都。旧跡。 ②生まれ故郷。 ③なじみの土地。 ④自宅。実家。
■ 本意(ほい) ①かねての望み・目的。
■ ほだし ①馬の足綱。 ②物事を行うときなどの差しさわりとなるもの。足手まとい。
■ 行幸(みゆき) ①天皇の外出。(「御幸」は上皇・法皇・女院の場合)
■ 世(の中) ①男女の仲。夫婦仲。 ②この世。 ③世間。 ④身の上。
 
 

2009/04/05 02:40 | 中学古文

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