学歴貴族
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学歴貴族(がくれききぞく)とは、明治時代から第二次世界大戦以前の日本において、主に旧制高等学校を経て帝国大学に進学し、高い学歴を背景に社会の指導的地位を得ていったエリートをいう。
学歴貴族とは [編集]
学歴貴族という観念は、1910年(明治43年)、第一高等学校第二期寄宿寮創立20周年に際して、卒業生でもある教育学者の吉田熊次が自分たち高等学校生・卒業生を精神上の貴族に例え、説いたことにも見えるように、きわめて古くから存在した。
当時の学校体系は複線型に近く、太平洋戦争開戦以前の旧制高校卒業者は、高くても該当年齢男子人口の1%にも満たない[1]といわれ、大学に進学した者自体が少なく門戸は男子にのみ開かれたものであった。旧制高校及び大学の学生、生徒は学帽にマントを羽織り深窓の華族令嬢から町娘までが恋焦がれる存在であったという[2]。そうした環境や社会的評価が学歴貴族という特権意識を生むに足る環境であった。
脚注 [編集]
参考文献 [編集]
- 竹内洋 『学歴貴族の栄光と挫折』、 中央公論新社〈日本の近代〉、1999年、ISBN 4-12-490112-7。
- 園田英弘・濱名篤・廣田照幸 『士族の歴史社会学的研究 : 武士の近代』 名古屋大学出版会、1995年、ISBN 4-8158-0250-5。
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